「ごめんね」「いいよ」そのまえに

使っていたものを取られた、取っちゃった。そういった場面は遊びの中でよく起きます。子育て中のみなさんは近所の公園などで、実際に体験したことがあるのではないでしょうか?

その時も、起こってしまったあとで、それぞれの保護者の方が子どもたちの横で状況を説明してくれていました。しばらくすると、取ってしまった子がバツが悪そうに「ごめんね・・・」とつぶやきます。

ほら、ごめんねしてくれたよ・・・?
返してくれからいいじゃない・・・?

下を向いているその子が「いいよ」と言えば一件落着。そこにいた全員の視線がその子に向かいます。でも、口を一文字にして、なんだか悔しそう。

あれ?何か言いたいのかな?…もしかして。

「○○ちゃん、嫌だったんだよね、怒ってるんだよね」
そう聞くと張りつめていた何かが切れたように「やだった〜!!!」と大声で泣き出しました。

(だってひとりで汲んできた大切なお水の入ったバケツだったんだもん、それを使って泥んこに混ぜようとしていたんだもん、勝手に話を進めないでよ、私の気持ちを聞いてよ!)

簡単に「いいよ」なんて言えない理由があったんだね。

大人ほど言葉を持っていない子どもたち。そのことと、理解していないということはイコールではありません。大人は「ごめんね」「いいよ」という「形」を求めてしまいがち。そうならないと、どこか居心地が悪い。スタッフだって同じだから、その気持ちよくわかる。でも。子どもたちは、目には見えにくいけれど、自分の気持ちは今どんな感じか、本人がいちばんよくわかっています。

自分の感情に素直なときにこそ、その気持ちをごまかしたり、封じてしまうのではなく、きちんと出せるサポートをしてあげたい、と思った出来事でした。