繰り返す「無駄」から子どもはたくさん学んでいる

暑くなってきて、今年もそろそろウォータースライダーの時期。去年を思い出してみると、子ども達は一日中、ひたすらウォータースライダーをやり続けていました。次の日もまた次の日も。なぜ同じことを繰り返して飽きないんだろ?と、大人は思ってしまいますよね。

何百回でも一回ごとがまったく違う体験

子どもたちのウォータースライダーを見ていると、最初はゆっくりだったのが少しずつ速く滑るようになり、頭を下にしたり助走したりとアレンジを加え、最後には自分なりの技を生み出していきます。ときどきスピードが出すぎて怯んだりお尻を打ったりしながらも、滑る感触、水に入った時の衝撃、しぶきの上がり方、身体の使い方など、次から次へと「さっきよりもっと気持ちいい一回」を求め試行錯誤しています。だからたとえ何百回滑っても、その子にとって一回ごとがまったく違う体験なのです。

子ども時代の実体験があるからこそ……

大人からすると、子どもたちの行動は、飽きもせず延々と何かをし続けたり、同じ失敗を繰り返したり、「そんなことしたら絶対痛い目にあうってわかんないのかな?」と首をかしげたくなることをやらかしたり……とにかく「無駄」なことの連続に見えます。

しかし、米カーネギーメロン大学のシーグラー教授によると、同じ行動を繰り返しながら、より確実で効率的なやり方を獲得することは、実は子どもに限らずすべての人が意識せずにしていることなのだそうです。ただし大人は、過去の経験などから類推して、子どもより早く「こんな感じ」をつかむことができます。つまり、私たちが何気なくしている選択や行動も、子ども時代からの膨大な実体験や失敗があってこそなのです。

子どもたちが一見無駄なことを繰り返しているように見えても、それは理にかなったやり方にたどり着くためのデータ集めの段階、学びのひとつのスタイルなんだ。夢中になって遊んでいるその時間、数多くの経験が彼らの中に積みあがっていっている。そう思うと、度重なる同じ失敗も、おおらかに見守れそうな気がしてきませんか(笑)?

※プレーパーク新聞vol.67に掲載のコラムを編集のうえ転載しています。